ABSTRACT 1578(P5-20)
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グリオーマにおける PTEN/MMAC1 遺伝子異常の解析 : 泉本修一、大西丘倫、平賀章壽、有田憲生 ( 阪大・医・脳外 )

Mutation analysis of the PTEN/MMAC1 gene in malignant gliomas : Shuichi IZUMOTO, Norio ARITA, Takanori OHNISHI, Shoju HIRAGA (Dept. of Neurosurg., Osaka Univ. Med. Sch.)

[目的]PTEN/MMAC1 遺伝子は悪性グリオーマの一部においてもその異常が指摘されており、その増殖抑制あるいは浸潤制御に関わる因子である可能性が考えられる。今回、グリオーマにおけるPTEN/MMAC1 遺伝子異常の頻度、および悪性度、臨床像との関連について検討を行った。[方法]glioblastoma 25 例、anaplastic astrocytoma 8 例、astrocytoma 3 例、計 36 例のグリオーマ新鮮凍結標本および血液より DNA を抽出した。PTEN/MMAC1 遺伝子の 9 個の各 exon ごとにPCR-SSCPを用いた検索を行い、異常が疑われた部分はシークエンスを行った。[結果]glioblastoma 25 例のうち 3 例 (12%) においてPTEN/MMAC1 の遺伝子変異が検出された。 そのうち2例は同一の遺伝子変異が認められ、第125番 (exon 2) の T が G へ変異し、Leu から Arg への変異が予想された。1例は第232番 (exon 4) の A が G へ変異し、Thr から Ala への変異が予想された。3例のうち2例は meningeal gliomatosis に至った症例で、 1 例は術後 8ヶ月で死亡転帰に至った症例であった。anaplastic astrocytoma や astrocytoma では遺伝子異常は検出されず、血液 DNA での異常は全例みられなかった。[結論]グリオーマ組織における PTEN/MMAC1 の遺伝子異常は低率にとどまった。しかし、meningeal gliomatosis に至った症例で遺伝子異常が検出されるなどさらに症例を重ねることにより glioblastoma の細分類および予後判定に有用となる可能性が示唆された。