ABSTRACT 1589(P5-20)
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新しい癌抑制遺伝子TSG101の肺癌における遺伝子異常:植島久雄1、2、Katharine A.Allikian1、2、大野厚子1、3、根来俊一、多田弘人、川瀬一郎、福岡正博、中川和彦大阪市立総合医療セ、近畿大・四内、岐阜大、大阪府立羽曳野病院・二内)

The analysis of TSG101 gene in human lung cancer:Hisao UEJIMA1,2,Katharine A.Allikian1,2,Atsuko OHNO1,3 , Shunichi NEGORO1,Hirohito TADA1,Ichirou KAWASE4, Masahiro FUKUOKA2,Kazuhiko NAKAGAWA2 (1Osaka City Genaral Hospital,24th.Dept.of Int.Med.,Kinki Univ.,3Gifu Univ.,4Osaka Habikino Hospital)

【目的】肺癌では第11番染色体短腕にて遺伝子欠失が高頻度に認められることから、同部位に癌抑制遺伝子の存在が推測されている。近年、11p-15.1-2において新しい癌抑制遺伝子TSG101遺伝子がヒト乳癌細胞株より単離され、肺癌を含む様々な癌との関連性が注目されている。今回我々はヒト肺癌手術検体および肺癌細胞株におけるTSG101遺伝子の異常について検討した。【材料】正常および肺癌手術検体37検体、および肺癌細胞株8株。【方法】検体よりtotal RNAを抽出し、RT-PCRを用いてTSG101のほぼ全発現領域を増幅させ電気泳動にて遺伝子欠失の有無を調べた。次に18肺癌手術検体および8肺癌細胞株のPCR産物を用いてサブクローニングし、それぞれ20クローンについてDNAシークエンスを行った。【結果】37手術検体中8検体(22%)、8肺癌細胞株中6株(75%)において正常の長さのDNAフラグメントとともにそれより短い欠失を伴ったDNAフラグメントをRT-PCRにて認めた。サブクローニングした18検体については、上記8検体に加え、更に4検体(12/18:67%)において欠失クローンを認めた。欠失のパターンとしては乳癌で報告された154-1054における欠失を5検体で認めた。TSG101は乳癌だけでなく肺癌の発生にも深く関与している可能性が示唆された。