ポスターセッション

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胃癌におけるTrefoil蛋白pS2の発現異常の解析：藤本淳也1, 安井　弥1, 工藤保誠², 横崎　宏¹, 田原榮一¹　(¹広島大・医・第一病理、²広島大・歯・口腔病理)

Aberrant expression of trefoil protein pS2 in gastric tumors: Junya FUJIMOTO¹, Wataru YASUI¹, Yasusei KUDO2, Hiroshi YOKOZAKI¹, Eiichi TAHARA¹(¹First Dept of Pathol, Hiroshima Univ Sch of Med., ²Dept of Oral Pathol Hiroshima Univ Sch of Dent.)

[目的] 正常胃粘膜で発現するTrefoil蛋白pS2は、胃特異的癌抑制遺伝子として注目されている。そこで、pS2の発現を胃癌培養株及び胃腫瘍組織において検索し、その発現の減弱の機構について検討した。[材料と方法] 8株の胃癌培養細胞株と手術的に採取された胃腺腫123例/胃癌組織384例を用いた。pS2の発現は、Northern blot法、Western blot法、免疫染色にて検討し、併せてPromoter methylation assayを行った。[結果と考察]胃癌培養株でのpS2の発現は一般に低く、特に高分化腺癌由来株では発現は検出されなかった。それらではプロモーター領域のメチル化が認められた。胃癌組織では、約90％の症例においてmRNA及び蛋白レベルでの発現の減弱が認められた。免疫組織化学的には、全例で腺窩上皮にpS2の強い発現を認めたが、腺腫で83％、腺癌で40％において発現はほぼ消失していた。また組織型においては高分化型に有意に発現の減弱が見られた。これらよりpS2の発現は高分化型腺癌の発癌の早期において重要な役割を示すことが考えられる。