ABSTRACT 1592(P5-20)
Prostatic intraepithelial neoplasia (PIN) における癌遺伝子と癌抑制遺伝子の免疫組織化学的検討 : 申 勝1 、安永 豊1、藤田眞幸1、大澤政彦1、三木恒治2、奥山明彦2、青笹克之1 ( 1 阪大・医・病理病態、2 阪大・医・泌)
Immunohistochemical detection of oncogenic and anti-oncogenic proteins in prostatic intraepithelial neoplasia : Masaru SHIN1, Yutaka YASUNAGA1, Masaki Q FUJITA1, Masahiko OHSAWA1, Tsuneharu MIKI2, Akihiko OKUYAMA2, and Katsuyuki AOZASA1 (1Dept. of Pathology, 2Dept. of Urology, Osaka Univ. Med. Sch. )
(目的) Prostatic intraepithelial neoplasia (PIN) は前立腺の前癌病変と考えられているが、我々は欧米同様に本邦においてもPINが高頻度で見られることを報告した (Int. J. Cancer: 1997).本研究は、PINにおける癌遺伝子と癌抑制遺伝子の発現を免疫組織化学染色により検討した.(対象と方法) PINを有する14例の全摘除前立腺と 2例のTUR前立腺を対象とした.癌遺伝子 ras p21, bcl-2, c-erbB-2, 癌抑制遺伝子 p53, Rb に対する抗体を用いてABC (avidin-biotin complex) 法による免疫染色を行なった.PINでは部分的破綻はあっても基底細胞層が保持されることを 34βE12を用いて確認している.(結果) PINの腺管上皮において、ras p21: 12/16 (75%), bcl-2: 7 /16 (44%), c-erbB-2: 9 /16 (56%), p53: 2 /16 (13%), Rb: 3 /16 (19%) の陽性率で あった.(考察) ras p21, bcl-2, c-erbB-2 において比較的高頻度に染色されており、PINの増殖に関与している可能性が示唆された.p53, RbのPIN 発生への関与は低いものと考えられた.