ABSTRACT 1652(P6-4)
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悪性黒色腫、母斑、正常培養melanocyte、正常表皮における、Adherens junction構成蛋白の存在と、それらの発現形態に関する免疫組織学的検討:小松奈保子、川原 繁、高田 実、竹原和彦(金沢大・皮)

Existence and distribution of adherens junction-related proteins in malignant melanoma,nevus,normal cultured melanocytes and normal epidermis. : Nahoko KOMATSU, Shigeru KAWARA, Minoru TAKATA, Kazuhiko TAKEHARA (Dept. of Dermatol., Kanazawa Univ.)

[目的及び方法]Adherens junction (AJ) は細胞間の接着構造のひとつであり、多くの悪性腫瘍でAJの構成蛋白の発現異常がみられ、癌化、浸潤、予後などとの関連が示されている。そこで、我々は悪性黒色腫 (MM) におけるAJ構成蛋白の発現異常の有無を、MMと同じ神経堤由来である母斑細胞母斑 (NN)、培養メラノサイト(MC) 及び正常表皮 (KC)と免疫組織学的に検討した。[結果]E-cadherinは、MM及びNNで陰性、MC及びKCで陽性を示した。P cadherinは、MMの11例中3例、NNの9例中2例でほぼ全ての腫瘍細胞が陽性、その他は全例陰性を示し、MC及び表皮基底層では陽性を示した。N-cadherinは、MM、NN及びKCでは陰性、MCでは弱陽性を示した。α-及びβ-cateninは、MM、NN、MC及びKCのいずれでも陽性を示した。γ-cateninはMM、NN及びMCのいずれでも陰性を示したが、KCでは細胞表面に陽性を示した。α-actininはMM及びNNで陰性、MC及び表皮基底層、毛根では陽性を示した。[結論]以上の結果から、神経堤由来のMM、NN及びMCは、正常表皮と異なるγ-cateninを含まない接着構造を有すること、E-、N-cadherin及びα-actininは、細胞の腫瘍化とともに発現が消失することが示唆された。