ポスターセッション

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E-cadherin欠損泌尿器癌細胞株におけるN-cadherin, cadherin-6の発現、catenin複合体とその接着性：島居　徹^1,2, 赤座英之¹, 河合弘二¹, Giroldi LA^2,3, Bringuier PP^2,3, Schalken JA²（¹筑波大・医・臨床・泌, ²Nijmegen大・URL, ³WHO・IARC）

Up-regulation of N-cadherin and cadherin-6 and their catenin complex in E-cadherin absent urological cancer cell lines: Toru SHIMAZUI^1,2, Hideyuki AKAZA¹, Koji KAWAI¹, Laurence A GIROLDI^2,3, Pierre Paul BRINGUIER^2,3, Jack A SCHALKEN² (¹Dept. of Urol., Inst. of Clin. Med., Univ. of Tsukuba, ²Urological Research Lab., Univ. Hosp. Nijmegen, ³Int. Agency for Res. on Cancer, WHO)

[目的]細胞接着分子E-cadherin (EC)はcateninとの複合体を形成し正常に機能するが、EC欠損癌細胞株において裏打ち蛋白cateninが細胞膜上に発現することが認められている。この解離と細胞接着性について検討する。[材料と方法]EC陰性の膀胱癌腎癌細胞株と数種のcadherinを発現する腎癌細胞株、計7株を対象にcadherin, cateninの発現、複合体形成の有無、形態を各cadherin, cateninに対する抗体を用いたwestern blot、免疫沈降により検討した。EC陰性株においてPan-cadherin抗体western blotによりcadherinの存在を確認し、その細胞質ドメインのPCR産物をcloningし同定した。さらにこれらの細胞株における接着性を96穴球状培養プレートによる球状培養にて検討した。[結果]EC陰性株は線維芽細胞型を呈する傾向があり、γ-cateninの発現低下傾向が見られた。免疫沈降の結果、約130kDaの蛋白がcateninと共沈し、これはPan-cadherin抗体に反応した。これらはhomology検索の結果、N-cadherin (NC)とcadherin-6 (Cad6)であり、球状培養ではEC発現株が接着の強固なcompact typeの球を形成したのに対し、陰性株ではlooseあるいはdiffuse typeで細胞接着性は低いと考えられた。[結論]膀胱癌、腎癌細胞株ではECがdown-regulationされてもcateninは正常に発現し、NC, Cad6等他のcadherinのup-regulationにより複合体を形成しうることが確認された。ただしこれらのcadherinの細胞接着性はECより弱く、癌転移の初期相における抑制能は検討が必要性と考えられた。