ABSTRACT 1658(P6-4)
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Gap junction(GJ)のchannel形成変化と細胞分化とのかかわりについて: 岩井眞樹、村松 哲、原田義規、田中斉祐、森 敬弘、岡上 武、加嶋 敬 (京都府立医大三内)

Contribution of gap junctional channel to control of cytodifferentiation : Masaki IWAI, Akira MURAMATSU, Yoshinori HARADA, Saiyu TANAKA, Takahiro MORI, Takeshi OKANOUE, Kei KASHIMA (3Dept. Int. Med., Kyoto Pref.Univ.Med.)

GJは細胞間 communicationを担う結合小器官で、細胞の増殖、分化に関与していると言われる。今回個体発生時の肝におけるGJのchannel(CH)形成と機能を、構成蛋白connexin(Cx)32、26の遺伝子発現および分布、局在とlucifer yellow(LY)の拡散から検討し,GJのCH変化の分化への関わりについて考察した。【方法・材料】胎生後期、生直後、成熟ラット肝におけるCx32、26mRNAをnorthern blot法で、分布・局在を二重免疫蛍光法、金標識二重免疫電顕法で観察した。培養肝組織にLYを注入5分後、拡がりを検鏡した。【結果】1)胎生後期よりCx32、Cx26mRNAの発現が見られ、Cx32は増多し、生後1週目にピ−クとなり、Cx26は生直後にピ−クとなるも、減弱、1週目に再ピ−クとなった。2)胎生後期のCx32は大斑状に、Cx26は小斑状に散見された。生直後Cx32陽性斑は大小不同で、増多し、Cx26斑も増加し、両Cxが単独、又は同一斑に局在した。電顕的に、相対する細胞膜直下に同一Cxが配列する斑と、Cx32粒子の配列に26が混在する斑がみられた。生後1週目のCx32は小葉内すべての細胞膜上で均等に、Cx26は門脈周囲肝細胞に認め,両Cxは同一斑に観察された。電顕的にzone(Z)2,3でCx32粒子の斑が、Z1の細胞でCx32と26が相対する斑が観察された。3)LYの拡がりは胎生期より経時的に増強した。【結語】胎生後期より生直後までCx32または26からなるhomotypic channel(CH)にheteromeric conne-xonが混在した。生後1週目には,Cx32のhomotypicCHのみならず、Z1ではheterotypic CHからなるGJがみられ、CHの形成と機能変化が細胞分化に関与すると考えられた。