ABSTRACT 1660(P6-4)
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マウス肺腫瘍におけるコネキシン43の発現の解析:宇高直子1,伊藤隆明2,北村 均21神奈川循環器呼吸器病センター・病理,2横浜市大・第1病理)

Analysis of connexin43 expression in mouse lung tumors :Naoko UDAKA1,Takaaki ITO2,Hitoshi KITAMURA2 (1Pathol. Div., Kanagawa Cardiovascular Respiratory Center, 2 Dept. of Pathol., Yokohama City Univ.)

【目的】ギャップ結合は、隣接する細胞間を直接つなぐcommunicating junction であり、細胞間の恒常性を保ち、細胞増殖や細胞分化に対して重要な役割を果たしていると考えられる。多くの腫瘍細胞でギャップ結合の異常発現や、減少、機能低下が示唆されているが、そのほとんどが培養細胞を用いた検討である。今回我々はマウス肺腫瘍を用い、肺腫瘍形成過程におけるコネキシン(Cx)43の発現の変化を検討した。【方法】4-nitroquinoline 1-oxide 誘発肺腫瘍を用い、RNA を抽出し RT-PCR 法にてCx43の発現を見た。さらに、in situ RT-PCR法によりCx43 mRNAの局在を形態学的に検索した。また、肺腫瘍及び正常肺組織より蛋白を抽出し、Cx43のWestern blottingを行った。【結果】一般に Cx43 は腫瘍化により発現が低下すると言われているが、マウス肺腫瘍形成過程ではほとんど変化は認められなかった。また、in situ RT-PCR法では腫瘍細胞に Cx43 mRNA の発現を認めた。また、Cx43のWestern blottingでは、肺腫瘍でリン酸化型 Cx43 の発現を強く認め、正常肺組織では非リン酸化型 Cx43 の発現が主体であった。このことより、ギャップ結合の機能が変化していることが示唆された。