ABSTRACT 1665(P6-4)
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大腸癌におけるCD44v2およびv6の発現と臨床病理学的意義:春山邦夫、松村保広、落合淳志、森谷宣皓、川口実、垣添忠生国立がんセ・中央病・内、国立がんセ・研・病理、国立がんセ・中央病・外、東京医大・内、国立がんセ・中央病・病院長)

Clinicopathological significance of the expression of CD44v2 and v6 in colorectal cancer:Kunio HARUYAMA1, Yasuhiro MATSUMURA1, Atsushi OCHIAI, Yoshihiro MORIYA3, Minoru KAWAGUCHI4,Tadao KAKIZOE51Dept. of Int. Med., 3Dept. of Surg., 5Director. Natl. Cancer Ctr. Hosp., Pathol. Div., Natl. Cancer Ctr. Res. Inst., 44th. Dept. of Int. Med., Tokyo Medical College)

【目的】細胞接着因子CD44には選択的スプライシングによる様々な変異体が存在することが知られており種々のヒト腫瘍についてそれらの発現と転移能や悪性度との相関が注目されている。しかし大腸癌においては今のところ統一した見解は得られていない。今回我々は大腸癌症例における臨床像、病理学的特徴とCD44v2およびv6の発現との相関を検討した。【方法】1991年から92年に摘出されたDukes B および Dukes C症例167例のパラフィン包埋切片に対し、STUF下マイクロウェイブ処理を行った後、ヒトCD44st, v2, v6、v9に対するモノクローナル抗体を用い、免疫染色を施行した。全体の5%以上染色された場合を陽性とし、その臨床像と予後や病理因子について比較検討した。【結果】全体ではCD44v2の陽性率は21.0%、CD44v6は37.7%で、予後および病理因子との明らかな相関はみられなかった。しかしv6の発現は有意差はないが異時性の遠隔転移と相関する傾向が認められた。またDukes B症例ではv2の発現と予後および異時性の遠隔転移に有意な相関が認められた。(p<0.05)【結論】大腸癌におけるCD44v2の発現は予後および異時性の遠隔転移と相関がみられ、大腸癌の予後因子あるいは転移予知因子としての有用性が示唆された。