ABSTRACT 1667(P6-4)
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精巣胚細胞性腫瘍および正常精巣におけるCD44の発現様式:山中和樹、三宅秀明、原  勲、玉田 博、原 章二、後藤章暢、郷司和男、荒川創一、守殿貞夫(神大・医・泌) 

Expression patterns of CD44 adhesion molecule in testicular germ cell tumors and normal testes : Kazuki YAMANAKA, Hideaki MIYAKE, Isao HARA, Hiroshi TAMADA, Shoji HARA, Akinobu GOTOH, Kazuo GOHJI, Soichi ARAKAWA and Sadao KAMIDONO (Dept. of Urology, Kobe Univ., Sch. of Med.)

〔目的〕精巣胚細胞性腫瘍におけるCD44の発現様式は、免疫組織化学的手法により検討されているが未だ一定の結論を得ていない。今回、我々は、精巣胚細胞性腫瘍におけるCD44 の発現様式をRNAおよび蛋白質レベルにおいて比較検討した。〔方法〕精巣腫瘍34例[Seminoma (SE) 18例、Nonseminomatous germ cell tumor (NSGCT) 16例]および正常精巣 6例よりtotal RNA を抽出し、RT-PCR法を用いてCD44 splice variantsの発現様式を解析した。また、蛋白質レベルでのCD44の発現をWestern blotting法を用いて検討した。〔結果〕RT-PCR法によりCD44sの発現は精巣腫瘍および正常精巣すべてにおいて認められた。NSGCTではvariant isoformのうちCD44v8-10が高発現していたが、SEおよび正常精巣ではvariant isofom の発現は殆ど認められなかった。CD44sは、蛋白質レベルですべての腫瘍において発現を認めたが、High molecular weight variant isoform は、NSGCTにおいてのみ認められた。CD44蛋白は正常精巣には発現していなかった。〔結論〕精巣胚細胞性腫瘍におけるCD44の発現様式を、RNAおよび蛋白質レベルで検討することは、精巣腫瘍組織型の鑑別診断に有用であり、従来の病理組織学的検査の補助的手段となりうる可能性が示唆された。