ABSTRACT 1668(P6-4)
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胃癌の転移に関与する接着分子の発現調節:小山剛,八代正和,松岡翼,井上透,村橋邦康,冨士原知史,西村重彦,山下好人,澤田鉄二,平川弘聖1,曽和融生2(1大阪市大・一外,2大阪市立総合医療セ)

Regulation of adhesion molecule expression on gastric cancer cell: Tsuyoshi KOYAMA, Masakazu YASHIRO, Tasuku MATSUOKA, Tohru INOUE, Kuniyasu MURAHASHI,Tomohumi HUJIHARA, Sigehiko NISHIMURA, Yosito YAMASHITA, Tetsuji SAWADA, Kosei HIRAKAWA1, Michio SOWA2 (11st Dept. of Surg., Osaka City Univ. Med. Sch., 2Osaka City General Med. Ctr.)

[目的]接着分子CD44Hの発現増加や,ICAM-1の発現低下は胃癌の腹膜播種性転移や,リンパ節転移能を増強すると報告されている。しかし,これらの接着分子発現に影響を及ぼす因子についてはほとんど報告されていない。今回スキルス胃癌細胞株を用い,これら転移に関与する接着分子発現に影響を及ぼす因子,特に線維芽細胞との相互作用を中心に検討した。[材料と方法]当科において樹立したスキルス胃癌細胞株(OCUM-2M)と胃壁由来線維芽細胞株(NF-8)を用いた。NF-8の培養上清及び増殖因子(TGF-beta,HGF,EGF)をそれぞれ添加し,OCUM-2M細胞表面上のCD44H,ICAM1発現に及ぼす影響を,ELISA法にて検討した。[結果]NF-8培養上清添加により,OCUM-2MのCD44Hの発現は有意に増加し,ICAM1の発現は有意に減少した。またTGF-beta添加により,CD44Hの発現は有意に増加した。[結語]胃壁線維芽細胞はスキルス胃癌の接着分子発現に影響を及ぼし,その転移能を増強させることが示唆された。