ABSTRACT 1700(P6-6)
胃粘膜は癌化によりfacilitative glucose transporter1 mRNAを獲得する: 野口芳一1、斉藤 綾1、岡本隆英1,土井千春1、吉川貴己1、牧野達郎1、円谷 彰1、近藤治郎1, 伊藤隆明2、 佐藤忍3 (1横浜市大.外科、2病理、3内科)
Gastric cancer acquires facilitative glucose transporter1 mRNA by malignant transformation: Yoshikazu NOGUCHI1, Aya SAITOH1, Takahide OKAMOTO1、 Chiharu DOI1, Takaki YOSHIKAWA1, Tatsuo MAKINO1, Akira TSUBURAYA1, Jiro KONDOH1, Takaaki ITOH1, Shinobu SATOH1 (1Dept of Surg, 2Dept of Pathol, 3Dept of Med, Yokohama City University)
目的 癌細胞への糖取り込みの機構は未だ明らかではない。本研究では胃癌組織と正常胃粘膜とでfacilitative glucose transporter(GLUT)発現の差異を明らかにすることを目的とし施行した。対象及び方法 胃癌の診断にて切除された胃20例の癌組織と正常粘膜から組織を採取、 Trizolを用いてtotal RNAを抽出、 既に作成してあるGLUT1-5のprimerを用いてRT-PCRを施行、各isoform mRNAの発現を検討した. 結果 正常胃粘膜ではGLUT1 mRNAは全く検出されず、GLUT2、GLUT3 mRNAが各々16例、14例で認められたが、GLUT4とGLUT5は8例、3例と低率であった。 筋層を含めた胃壁全層から得られたRNAを用いた検討ではGLUT1は全例で確認された。一方、胃癌組織では20例全例でGLUT1-4のmRNAが検出された。GLUT5 mRNAは3例でのみ確認された。結語 胃癌は癌化によりGLUT1 mRNAを発現するとともに、low affinity GLUTをも同時に発現することで、種々の糖濃度への適応を獲得している可能性が示唆された。