ABSTRACT 1703(P6-6)
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連続磁気刺激による熱ショック蛋白質の発現-ヒト正常細胞と腫瘍細胞の比較- : 釣田義一郎1、2、上野照剛2、津野ネルソン3、名川弘一1、武藤徹一郎11東大・外科、2東大・医用生体工学、3東大・輸血部)

The expression of heat shock protein by repetitive pulsed magnetic stimulation in human cancer and normal cells: Giichiro TSURITA1,2, Shoogo UENO2, Nelson TSUNO3, Hirokazu NAGAWA1, Tetsuichiro MUTO1 (1Dept. of Surg.,Univ. of Tokyo, 2Dept. of Biomed. Engineering, Univ. of Tokyo, 3Dept. of Transfusion Med., Univ. of Tokyo)

【目的】変動磁場が人体に及ぼす影響を検討するために、連続磁気刺激による熱ショック蛋白質(HSP)の発現を、ヒト正常細胞株と腫瘍細胞株において検討した。HSPについては特にHSP70およびHSP27について検討した。【方法】正常細胞モデルとして、ヒト正常乳腺細胞株であるHBL100、腫瘍細胞モデルとして、ヒト乳癌細胞株であるMCF-7及びヒト子宮頸癌細胞株であるHela細胞を使用し、37℃、40℃、あるいは42℃の温度条件下に0〜12時間の連続パルス磁気刺激を行った。HSP70及びHSP27の発現はWestern-blotting法を施行し、それぞれの発現量を落射式蛍光読取装置により定量化した。【結果】37℃条件では、HSP70は全ての細胞において12時間の磁気刺激で発現増強を認め、HSP27も同様全ての細胞で3時間の磁気刺激により発現増強を認めた。40℃条件では、HSP70およびHSP27は正常細胞(HBL100)にのみ発現増強を認めた。42℃条件では、HSP70は全ての細胞において発現増強を認め、HSP27は正常細胞(HBL100)にのみ発現の増強を認めた。【結論】ヒト細胞株は、変動磁場曝露の影響により熱ショック蛋白質の発現変化を示し、正常細胞と腫瘍細胞間に反応性の相違があることが示唆された。