ポスターセッション

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子宮頚癌および子宮内膜癌における転移・浸潤に関連する遺伝子の解析：荒井宗大,西川鑑,岩崎雅宏,芥川典之,工藤隆一,(札幌医大・産婦）

Expression of genes responsible for cancer invasion and metastasisin uterine cervical cancer and endometrial cancer cells：Munehiro ARAI,Akira NISHIKAWA,Masahiro IWASAKI,Noriyuki AKUTAGAWA, Ryuichi KUDO,(Dept.of Obstet. and Gynec.,Sapporo Medical University)

〔目的〕癌の転移・浸潤の各段階においては種々の分子が関連している。今回我々は、子宮頚癌と子宮内膜癌細胞における、転移・浸潤に関連する分子の遺伝子発現をノーザンブロット法により解析し、その発現パターンと浸潤能を比較検討した。
〔方法〕子宮頚部腺癌株（CAC-1）と２種類の子宮頚部扁平上皮癌株（SiHa、CaSki）、５種類の子宮内膜癌株（SNG-II、HEC1BE、HEC108、ishikawa、UUC）の計８種類の培養細胞から全細胞RNAを抽出し、ノーザンブロット法により遺伝子の発現を解析した。プローブには³²Pにより標識した MMP-1、MMP-2 、MMP-9、MT1-MMP、MT2-MMP、MT3-MMP、TIMP-1、TIMP-2、tPA、uPA、PAI-1、PAI-2、 Cathepsin L、c-erbB-2、E1AF、VEGF、ets-1の cDNAを用いた。浸潤能はマトリゲルを用いたin vitro invasion assayにより評価した。
〔結果〕MMP-2およびMT1-MMPは子宮頚部腺癌と2種類の子宮頚部扁平上皮癌、１種類の子宮内膜癌に発現しており、これらの細胞株は比較的高い浸潤能を示した。腺癌と関連が示唆されているc-erbB-2は子宮頚部腺癌と２種類の子宮内膜癌で過剰発現していた。ets-1は4種の細胞株で発現が認められ、それら細胞株すべてにVEGFの発現が亢進していた。
〔結語〕子宮癌における MMP-2とMT1-MMPの浸潤能への関与とets-1とVEGFの関連が示唆された。