ABSTRACT 1742(P7-2)
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大腸癌細胞の共培養におけるマトリックスメタロプロテイナーゼ発現変化の解析
:胡興柏1、2、八隅秀二郎1、2、吉川清次2、菅健治2、千葉勉1、高橋玲21京大・院・医・消化器病態、2同・腫瘍生物)

Analysis of expression patterns of matrix metalloproteinases under co-cultivation between colon cancer cells and colon fibroblasts: Kohaku KO1,2 , Shujiro YAZUMI1,2, Kiyotsugu YOSHIKAWA2, Kenji SUGA2, Tsutomu CHIBA1, Rei TAKAHASHI2 (1Dept.Gastroenterology and Hepatology, 2 Dept. Path. and Tumor Biol., Kyoto Univ. Grad. Sch. Med.)

[目的]癌浸潤の過程においてマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)がかかわっていると思われる。MMP-2の産生は腫瘍細胞、線維芽細胞それぞれから行われている。大腸癌細胞、大腸線維芽細胞を用いて共培養におけるMMP-2の発現、活性化について検討した。[方法]大腸癌細胞WiDr,SW48,Caco-2,LoVoと大腸線維芽細胞CCD18-Co,FS-4を用いて共培養を行った。共培養は両者を接触、非接触下に培養し、上清のゼラチンザイモグラフィーを行った。[結果]それぞれの単培養ではMMP-2の発現、活性化は腫瘍細胞に比べ線維芽細胞の方が高度に認められた。接触下の共培養においては腫瘍細胞数の増加に伴ってMMP-2の発現に明らかな増強は認められず、腫瘍細胞の種類によっては腫瘍細胞数の増加に伴いMMP-2の活性型の発現が減少しているものがみられた。非接触下の共培養においては腫瘍細胞数の増加に伴いMMP-2の発現の増強、活性型の増加が認められた。[結論]大腸癌細胞単独でのMMP-2の発現は大腸線維芽細胞単独での発現に比べ微弱であった。共培養におけるMMP-2の発現、活性化は接触時より非接触時に強くみられた。このことは癌浸潤の浸潤開始前にも細胞接触を介さずにMMP-2の発現、活性化が増強されている可能性が示唆された。