ABSTRACT 1751(P7-2)
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マウス 小脳に高発現する新規MT-MMP(MT5-MMP)のクローニングと生化学的解析;喜納宏昭、伊藤義文、岡田明子、清木元治(東大・医科研・癌細胞)

 Molecular cloning of a novel membrane-type matrixmetalloproteinase(MT5-MMP) expressed in mouse cerebellum. : Hiroaki KINOH, Yoshifumi ITOHAkiko OKADA, Motoharu SEIKI ( Dept. Cancer Cell Res., Inst. Med.Sci., Univ. of Tokyo)

 マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)は、細胞外マトリックスを基質とする一群の酵素であり、その過剰発現が癌の浸潤やリュウマチなどの病態で報告されている。近年、MMPのサブタイプとして膜貫通型のMMP(MT-MMP)が 4種類クローニングされ、MT1-MMPはゼラチネースAを活性化することによって癌の浸潤転移を促進することが明らかになり注目されている。 
 我々は、マウス小脳に高発現する新規MT-MMP (MT5-MMP)をhuman MT3-MMPをプローブにして、マウス17日胚脳 cDNA library よりクローニングした。全長4104bp、open reading frame 1695 bp, 565 amino acids をコードしている。推定されるアミノ酸配列は、MT MMPに特徴的な、膜貫通領域、細胞質ドメイン、プロペプチドと触媒ドメインの間のfurinによる分解を受けるRRKR配列を持ち、human MT3-MMPと73%の ホモロジーをもっている。
 ノーザンブロット解析より、MT5-MMPは、マウス成体の小脳および、17日胚から生後すぐの大脳に特異的に発現が見られる。
 現在、小脳での発現細胞の特定とそのタンパクをE. coli に発現させ、その酵素活性及び基質特異性を解析しており、合わせて報告する。