ポスターセッション

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Matrix Metalloproteinase(MMP) Inhibitor, KB7785の腫瘍血管新生抑制作用と転移抑制効果について：砂村眞琴,Lozonschi Lucian,江川新一,小針雅男,松野正紀（東北大学医学部第一外科）

Tumor angiogenesis and metastasis related in the treatment outcome with the matrix metalloproteinase inhibitor, KB7785: Makoto SUNAMURA, Lucian LOZONSCHI, Shin-ichi EGAWA, Masao KOBARI, Seiki MATSUNO (The First Department of Surgery, Tohoku University School of Medicine)

【目的】腫瘍増殖には腫瘍血管新生が必要不可欠である。血管新生では血管内皮細胞浸潤が観察され、この過程にはMMPsが関与している。本研究では、新しいMMP Inhibitor, KB7785の腫瘍血管新生抑制作用と転移抑制効果について検討した。【方法】６週令のBALB/cマウスとマウス大腸癌細胞株colon 26を用いた。まず、マウス背部に透明窓を装着し、皮下の血管網が観察できるモデルを作製した。ここにcolon 26を移植して血管新生形成過程を観察し、KB7785の血管新生抑制作用を経時的に評価した。続いて、尾静脈よりcolon26を注入して作製する肺転移モデルを用い、KB7785の転移抑制効果について検討した。【結果】 KB7785投与群では血管密度、血管径ともに有意に低値で、腫瘍増殖も抑制された。また新生血管の形成不全が見られ腫瘍に壊死部が出現した。KB7785により肺転移巣は有意に減少し、転移巣の大きさも小さかった。また、KB7785投与群ではアポトーシスに陥る腫瘍細胞の頻度が高かった。【結論】KB7785には腫瘍血管新生抑制作用と肺転移抑制効果を認めた。MMPsを標的とした癌治療は有効である。