ABSTRACT 1753(P7-2)
新規経口MMP阻害薬BPHAの抗腫瘍効果(酵素阻害活性と抗腫瘍効果の相関性):真木英雄、前川隆司、吉田寛、笠井久司、内田直美、竹田幸弘、和田透、北条完二、松本光史、田中秀和、杉田憲治、吉岡貴幸(塩野義製薬樺央研究所)
Anti-tumor efficacy of BPHA, a novel, orally-active MMPI ; direct corelation of MMPI activity with anti-tumor efficacy : Hideo MAKI, Ryuji MAEKAWA, Hiroshi YOSHIDA, Hisanori KASAI, Naomi UCHIDA, Yukihiro TAKEDA, Tooru WADA, Kanji HOJO, Mitsunobu MATSUMOTO, Hidekazu TANAKA, Kenji SUGITA and Takayuki YOSHIOKA (Shionogi Res. Labs., Shionogi Co., Ltd.)
【目的】当研究所において新規に創製された経口のMMP阻害薬であるスルホニル化アミノ酸誘導体BPHAとその光学異性体を用いて、in vivoにおける血管新生阻害効果並びに抗腫瘍効果の評価系がMMP阻害活性と相関することを確認したので報告する。
【方法】MMP−2、9、MT1-MMP活性は蛍光標識した天然または合成基質の分解を測定した。血管新生はヒト線維芽肉腫HT-1080を用いたdorsal air sac-chamber法により誘導した。抗腫瘍効果はLewis肺癌細胞を静脈内に移植し、2週間後の肺コロニー数を計測した。またB16 melanomaを皮下移植し、その後の増殖を測定した。化合物は50〜200mg/kgを連日経口投与した。
【結果】BPHAはMMP−2,9, MT1-MMPに対して強い阻害効果(IC50=10〜20nM)を示したが、その光学異性体の阻害効果はBPHAに比べて約1/100以下であった。癌細胞によって誘導される血管新生はBPHAの投与により抑制されたが、光学異性体の投
与によっては抑制されなかった。またBPHAはLewis肺癌の人工転移系における肺コロニー形成や、B16 melanomaの増殖を有意に抑制したのに比して、光学異性体は抑制活性を示さなかった。