ABSTRACT 1763(P7-3)
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遊走血管内皮細胞の癌細胞への増殖作用:岡本廣挙 1、向井睦子 2、新貝清子 2、大東弘明 3、石川治 3、今岡真義 3、中森正二 4、明渡均 2、松本由朗 11 山梨医大・一外、2 大阪成人セ・腫生化、3 大阪成人セ・外科、 4 阪大・二外)

Migrated endothelial cells promotes tumor cell proliferation : Hirotaka OKAMOTO1, Mutsuko MUKAI2, Kiyoko SHINKAI2, Hiroaki OHIGASHI3, Osamu ISHIKAWA3, Shingi IMAOKA3, Shoji NAKAMORI4, Hitoshi AKEDO2, Yoshiro MATSUMOTO1 ( 1First Dept. of Surg., Yamanashi Med. Univ. , 2Dept. of Tumor Biochem., Osaka Med. Ctr. for Cancer and Cardiovasucular Dis., 3Dept. of Surg., Osaka Med. Ctr. for Cancer and Cardiovasucular Dis., 4Second Dept. of Surg., Osaka Univ.)

【目的】マウス皮下移植時、血管新生能の違いにより肺転移能が異なるG-5(高転移性株)、G-1(低転移性株)を用いて、原発巣での血管内皮細胞と癌細胞の相互作用と転移との関わりを明らかにすることを目的とした。
【方法】G-5, G-1による血管内皮細胞(Calf pulmonary endothelial cell;CPAE)の遊走ChemotaxisをModified Boyden Chamberを用い、また、血管内皮細胞によるG-5, G-1の増殖をTranswell Chamber (0.4um pore)を用いて調べた 。
【結果】G-5は、G-1に比べて約2倍の血管内皮細胞遊走能を有した。また、G-5とG-1は通常の培養条件下では増殖に差は認めなかったが、無血清培養条件下では血管内皮細胞をCocultureしておくと、G-5はG-1と比べて約2倍の増殖を示した。さらに、血管内皮細胞のConditioned medium; CMでも同様の増殖傾向を示した。
【まとめ】G-5はG-1に比べて、高い血管内皮細胞遊走能を有し、遊走した血管内皮細胞は、液性因子を産生してG-1に比べてG-5の増殖を亢進させていると考えられた。初期段階の転移成立過程で、遊走した血管内皮細胞が癌細胞の増殖へ影響を及ぼし、転移能へ影響を与えている可能性が示唆された。