ABSTRACT 1764(P7-3)
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膀胱腫瘍増殖に伴うTGF-aの発現変化についての検討:江本昭雄、中川昌之、花田俊勝、奈須伸吉、野村芳雄(大分医大・泌)

Change of TGF-a expression in bladder tumor growth : Akio EMOTO, Masayuki NAKAGAWA, Toshikatsu HANADA, Nobuyoshi NASU, Yoshio NOMURA

[目的] 固形腫瘍は増殖するにともない、腫瘍を充分に栄養するための血流を必要とする。血流を豊富にするためには、腫瘍による血管新生が必要となるが、腫瘍増殖にともなう、血管新生因子の変化については、まだ解明されていない。TGF-αは強力な血管新生因子のひとつであり、種々の腫瘍から分泌されている。そこで我々はヌードマウスの皮下にヒト膀胱腫瘍細胞株を移植し、腫瘍を増殖の各段階で摘出し、その発現の変化について検討した。
[方法] ヒト膀胱腫瘍細胞株KK47、3X106個をヌードマウス背部皮下に移植し、腫瘍径5〜25mmに達した時点で腫瘍を摘出し、total RNAを抽出し、Northern blot 法及びRT-PCR法にてmRNAレベルでのTGF-α発現の変化について検討した。また、腫瘍の一部をホルマリン固定し、免疫染色にて蛋白レベルでの発現の変化についても検討した。
[結果] 親株であるKK47では、mRNAレベルではほとんど発現がみられていないのに対して、腫瘍組織より抽出したRNAでは、発現が増加する傾向が認められた。一方、蛋白レベルでもKK47では発現がみられていないのに対し、腫瘍組織では発現がみられるようになった。
[方法] 血管新生因子であるTGF-αは膀胱腫瘍増殖において、重要な役割を果たしていることが推測された。また、我々はこの腫瘍増殖にともなう。
TGF-α発現増加の機序についても現在検討中であり、あわせて報告する予定である。