ABSTRACT 1768(P7-3)
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胃癌における血清および腫瘍中VEGF測定の臨床的意義:北村正次1)、 荒井邦佳1)、岩崎善毅1)、 戸井雅和1) 、鈴木日出夫2)、松尾克彦2)1都駒込外科 2東亞合成つくば研)

Clinical evaluation of concentration of Vascular Endothelial Growth Factor (VEGF) in sera and tumor: Masatsugu KITAMURA1), Kuniyoshi ARAI1),Yoshiaki IWASAKI1), Masakazu TOI1), Hideo SUZUKI2)and Katsuhiko MATSUO2) (1Tokyo Metro. Komagome Hos.,2Japan Toa Tusukuba Res.,Labo.)

〔目的〕VEGFは腫瘍の血管新生において重要な役割を果たしている。今回は胃癌患者の血清中および腫瘍中のVEGFを測定し,その臨床的意義を検討した。〔対象及び方法〕胃癌患者血清281例及び胃癌組織41例を対象とし, VEGFを enzymatic immunoassay を用いて測定した。なお血清VEGF値のcut off 値は180pg/ml とした。〔結果〕血清VEGF値の陽性率は12.8%であった。stage IVのVEGF値はstage Iより有意に高値を示し, s(+)は s(-) より有意に高値であった。特にt4はt1〜t3より有意に高値を示した。しかしH因子およびP因子の程度では差を認めなかった。一方V3はV0-1との間に有意差を認めた。化学療法の効果とVEGF値の変動では,有効例では低下,無効例では上昇を示した。一方腫瘍中のVEGF値では、正常組織より極めて高い値を示す例を認めた。分化型のVEGF値は低分化より有意に高値を示した。〔結論〕(1)血清VEGF値は胃癌の進展の程度と関連していた。(2)化学療法の効果とVEGF値の変動は相関を示した。(3)腫瘍中VEGF値は正常組織より高く,分化型癌で高値を示した。