ABSTRACT 1771(P7-3)
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大腸癌肝転移におけるVEGFの臨床的意義:山村卓也1、小笹貴夫1、月川賢2、山口晋21聖マリ医大・東横病・外、2聖マリ医大・1外)

VEGF and its clinical significance in liver metastases of colorectal cancer: Takuya YAMAMURA1, Takao OZASA1, Satoshi TSUKIKAWA2, Susumu YAMAGUCHI2 (1Dept.of Surg.,St Marianna Univ. School of Medicine Toyoko Hospital, 2First Dept. of Surg.,St Marianna Univ. School of Medicine )

【目的】血管新生因子であるvascular endothelial growth factor (VEGF)は血行性転移に関係することが知られている。この研究の目的は大腸癌の肝転移にVEGFの発現がどのように関与しているかを明らかにすることである。【方法】大腸癌肝転移(転移群)59例を対象とし、3年以上無再発生存の大腸進行癌64例をコントロールとした。VEGFの免疫組織染色はA-20 (SCB)により、腫瘍内血管密度(MVD)はCD34による免疫組織染色で同定された微小血管の数とした。【成績】転移群のVEGF陽性率は69%(41例)で、コントロールと比べ有意に高率であった。臨床病理学的因子別にみると高分化型、CEA2.5ng/ml以上、静脈侵襲陽性において転移群のほうがコントロールに比べ有意にVEGFの陽性率が高かった。VEGF陽性例ではMVDが高く、転移群ではMVDが有意に高かった。【結語】大腸癌肝転移症例ではVEGFの発現およびMVDが高く、肝転移にVEGFの発現が促進的に働くことが示唆された。