ABSTRACT 1773(P7-3)
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子宮体癌細胞株におけるVEGFによるPlasminogen activator (PA)発現誘導に関する基礎的検討:山田英史,成宮尚男,澤口啓造,平田正人,藪下廣光,野口昌良,中西正美(愛知医大・産婦)

Induction of expression for plasminogen activator in human endometrial carcinoma cell lines by VEGF : Hidefumi YAMADA, Hisao NARUMIYA, Keizo SAWAGUCHI, Masato HIRATA, Hiromitsu YABUSHITA, Masayoshi NOGUCHI and Masami NAKANISHI (Dept. Obst. Gynecol., Aichi Med. Univ.)

【目的】われわれは子宮体癌においてVEGFが腫瘍細胞より産生され血管新生を促進することを報告している。セリンプロテアーゼの1つであるplasminogen activator (PA)は、細胞外マトリックスを分解し腫瘍浸潤に関与するとされている。本研究は、子宮体癌由来株を用いてVEGFにより誘導されるurokinase-type PA (u-PA)、tissue-type PA (t-PA)の発現性について検討した。【方法】子宮体癌由来株(Ishikawa、KLE、RL95-2)に終濃度が0.1、1、10、20 ng/mlとなるようにVEGFを添加した細胞と未処理細胞を用い、培養上清中のu-PA、t-PAの発現をzymographyにて分析し、発現量をAtto densitgraph image analyzerで数値化した。【結果】u-PAは10 ng/ml VEGFの添加で、未処理細胞に比し高浸潤性のKLE細胞、RL95-2細胞ではそれぞれ1.47倍、2.18倍誘導されたが、低浸潤性のIshikawa細胞では変化を認めなかった。t-PAに関してはIshikawa、KLE、RL95-2いずれの細胞においても変化を認めなかった。【結論】VEGFにより高浸潤性株ではu-PAの発現が誘導されたことより、VEGFの生理学的活性の一つとして蛋白分解酵素を誘導し、in vitro 浸潤能の亢進に関与している可能性が示唆された。