ABSTRACT 1775(P7-3)
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Renal cell carcinomaにおけるVascular endothelial growth factor (VEGF) isoformの検討:土田 孝,徳永徹二,大鹿芳郎,鬼島 宏,山崎 等,中村雅登,上山義人,玉置憲一(東海大・医・病理)

Aberrant isoform of vascular endothelial growth factor is correlated with tumor stage and vascularization in renal cell carcinoma: Takashi TSUCHIDA, Tetsuji TOKUNAGA, Yoshiro OSHIKA, Hiroshi KIJIMA, Hitoshi YAMAZAKI, Masato NAKAMURA, Yoshito UEYAMA, Norikazu TAMAOKI (Dept. of Pathology, Tokai Univ. Sch. of Med.)

VEGFはスプライシングの違いにより4種類のisoformが知られている。このisoformの発現様式は臓器・腫瘍によって異なることが知られているが、その臨床病理学的意義は明らかではない。我々は、Renal cell carcinoma (RCC)におけるVEGFmRNAの発現およびisoform様式を検討した。
【材料・方法】RCC手術材料47例より細胞全RNAを抽出し、VEGF isoformの検討をRT-PCR Southern法を用いて行った。また、血管密度の検討もあわせて行った。
【結果・考察】RCC全例においてVEGFmRNAの発現が認められた。VEGF isoformの発現様式は、VEGF121のみ発現したものが4例、VEGF121+165が10例、VEGF121+165+189が33例であった。pT3(10/10:100%)は、pT0-2 (23/37:62%)よりもVEGF189の発現が多かった。また、VEGF189の発現は血管密度とも相関していた。以上より、VEGF isoformの発現形式の違いがRCCの増殖・進展に関与している可能性が示唆された。