ABSTRACT 1776(P7-3)
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腎癌におけるVEGF、bFGF、IL-8/GROαおよびその受容体mRNAの発現の検討:五十嵐辰男1,高橋英則2,植田健1,鈴木啓悦1,戸辺豊総1,村上信乃3,伊藤晴夫11千葉大・医・泌,2旭中央病・中検,3旭中央病・泌)

Over expression of GROa and its high-affinity receptor mRNA in renal cell cancer tissue:Tatsuo IGARASHI1,Hidenori TAKAHASHI2,Takeshi UEDA1,Hiroyoshi SUZUKI1, Toyofusa TOBE1,Shino MURAKAMI3,Haruo ITO1. (1Dept. of Urol., Chiba Univ. 2Clin. Lab., Asahi Gen. Hosp., 3Dept. of Urol., Asahi Gen. Hosp. )

【目的】腎癌は腫瘍血管に富むので、血管新生因子の同定は本腫瘍の制御の上で重要と思われる。VEGF、bFGF、IL-8/GROα、およびそれらの受容体のmRNAの発現を検討した。【材料、方法】腎癌由来細胞株、SK-RC-39、-42、-45、および腎癌13例の摘出標本の腫瘍部と非腫瘍部よりtotal RNAを抽出し、RT-PCRにより上記cytokine/chemokineとそれぞれの受容体Flt-1、FGFR-1、IL-8R typeI、type II mRNAの検出を試みた。【結果】すべての細胞株でVEGF、bFGF、IL-8/GROα mRNAの発現を認めた。摘出標本ではVEGFmRNAは腫瘍組織に特異的に発現していたが、Flt-1mRNAは検出できなかった。bFGFmRNAは腫瘍部、非腫瘍部ともに強い発現をみたが、FGFR-1mRNAの発現は見られなかった。IL-8mRNAは腫瘍部での発現は認められず、IL-8R typeIの発現も認められなかった。GROαおよびIL-8R type IIは腫瘍部、非腫瘍部で強い発現を認めたが、後者は6例で腫瘍部により強い傾向があった。【結論】これらの発現状況より、腎癌ではGROαが血管新生に重要であると思われた。