ABSTRACT 1777(P7-3)
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骨肉腫における血管内皮増殖因子Vascular Endothelial Growth Factor (VEGF) mRNA isoform発現:李潤煥1,2,中村雅登1, 大鹿芳郎1, 徳永徹二1, 鬼島宏1, 山崎等1, 上山義人1, 玉置憲一1, 須藤隆二2, 福田宏明2, 立石昭夫3 ( 1東海大・医・病理, 2東海大・医・整形, 3帝京大・医・整形)

Aberrant isoform pattern of vascular endothelial growth factor (VEGF) mRNA correlates with vascularity and prognosis of osteosarcoma : Yoon Hwan LEE1,2, Masato NAKAMURA1, Yoshiro OSHIKA1, Tetsuji TOKUNAGA1, Hiroshi KIJIMA1, Hitoshi YAMAZAKI1, Yoshito UEYAMA1, Norikazu TAMAOKI1, Ryuji SUTO2, Hiroaki FUKUDA2, Akio TATEISHI3 (1Dept. of Pathol., 2Dept. of Orthop., Tokai Univ. Sch. of Med., 3Dept. of Orthop., Teikyo Univ. Sch. of Med.)

【目的】腫瘍の増殖、浸潤、転移には腫瘍内血管新生が密接に関連している。血管新生作用をもつ増殖因子として血管内皮増殖因子VEGFが知られているが、このVEGFには分子量の異なる4種(VEGF121, VEGF165, VEGF189, VEGF206)のisoformが知られている。我々は骨肉腫におけるVEGF-mRNAの発現とisoform patternを検索し、腫瘍内血管新生に対する意義について解析した。【材料及び方法】骨肉腫患者23例より採取された手術材料35検体を材料として、RT-PCR法にてVEGF-mRNAの発現およびisoform patternを検討した。また、VEGF受容体遺伝子(flt-1、KDR)の発現も検討した。ホルマリン固定パラフィン包埋材料についてCD34の免疫染色を行い、血管密度を評価した。【結果及び考察】 骨肉腫において、VEGFは77%に発現し、そのisoform発現様式は多様であった(VEGF121;10例,37%、VEGF121+165;9例,30%、VEGF121+165+189;8例,30%)。VEGF121+165及びVEGF121+165+189骨肉腫症例はVEGF121骨肉腫症例に比して腫瘍内血管密度が有意に高く、また、予後不良であった(p < 0.0001、 Student's t 検定、p = 0.00154、Wilcoxon検定)。VEGF165とVEGF189の発現が骨肉腫の血管新生、予後に大きく関与していると考えられた。