ABSTRACT 1779(P7-3)
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ヒト卵巣癌による腹水貯留に対する抗ヒトVEGF/VPF中和モノクローナル抗体の抑制効果:幸田綾子1,浅野誠1,岡本知光2,鈴木日出夫11東亞合成・つくば研,2名大・医・産婦人科)

Inhibitory effect of an immunoneutralizing monoclonal antibody to human VEGF/VPF on ovarian adenocarcinoma-induced ascites retention : Ayako YUKITA1, Makoto ASANO1, Tomomitsu OKAMOTO2, Hideo SUZUKI 1(1Tsukuba Research Lab., TOAGOSEI Co. Ltd.,2Dept. Obstetrics and Gynecology, Nagoya Univ., School of Med.)

【目的】卵巣癌による腹水貯留は、患者のQOLを悪化させる要因のひとつである。我々は、卵巣癌由来腹水貯留に対し、抗ヒトVEGF/VPF中和モノクローナル抗体(Ab) による抑制効果を検討した。【方法】(1)ヒト卵巣癌細胞株NOS2をヌードマウス腹腔内へ移植し、移植翌日からAbまたはIgGを4日毎に100μg静注、22日後に腹水採取した。(2)再貯留実験:NOS2移植23日目に腹水を除去した後Ab,IgGを4日毎に100μg静注、また腹水除去した日にCDDPを100μg静注し、6日後に再び腹水採取した。(3)(2)と同様にNOS2を移植、腹水除去後Ab,IgG,CDDPを(2)同様のスケジュールで静注し延命効果を観察した。【結果】(1)腫瘍移植22日後に採取した腹水量は、Ab投与群で有意に抑制された。(2)腹水再貯留抑制効果はCDDP投与群では観察されなかったがAb投与群で観察された。(3)Abは腹水再貯留を抑制する結果、有意に延命効果を示した。【考察】抗VEGF/VPF中和モノクローナル抗体は、腫瘍由来腹水貯留に対する抑制効果を示すとともに延命効果も示し、癌患者のQOL改善に有用な新しいタイプの抗腫瘍剤であることが示唆された。