ABSTRACT 1782(P7-3)
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抗VEGF中和抗体による温熱効果増強の検討:金森修一1, 西村恭昌2, 奥野芳茂1, 佐賀恒夫1, 平岡真寛11京大・医・放, 2近畿大・医・放)

Conbined effects of hyperthermia and anti-VEGF antibody: Shuichi KANAMORI1, Yasumasa NISHIMURA2, Yoshishige OKUNO1, Tsuneo SAGA1, Masahiro HIRAOKA1 (1Dept. of Radiology, Kyoto Univ., 2Dept. of Radiology, Kinki Univ.)

【目的】温熱処置、血管新生阻害剤(TNP-470)および抗ヒトVEGF中和抗体の併用効果を検討した。
【方法】ヒト大腸癌LS-180を、雄ヌードマウス大腿皮下に移植し、直径10mmになった時点で実験を行った。一群12-17匹とし、以下の6群に分けた;(a) 対照、(b) 温熱単独、(c) 抗VEGF中和抗体単独、(d) 温熱+抗VEGF中和抗体、(e) 温熱+TNP-470、(f) 温熱+TNP-470+抗VEGF中和抗体。温熱処置は恒温槽を用いて44℃30分間加温した。TNP-470は100mg/kgを温熱処置後3時間, 3, 7, 10日の計4回、抗VEGF中和抗体は100μg/mouseを温熱翌日から連日10日間いずれも背部に皮下注射した。治療開始時の体積と比較し、腫瘍体積が3倍になる日数 (TG Time) を求め、効果を評価した。
【結果】6群の平均TG Timeは(a)6.1日、(b)7.2日、(c)12.0日、(d)16.3日、(e)11.3日、(f)20.9日であった。温熱処置単独では対照群と有意差を認めなかった。抗VEGF中和抗体単独投与群は対照群と比し有意にTG timeの延長を示した。温熱処置と抗VEGF中和抗体併用群は抗VEGF中和抗体単独投与群と比し有意にTG timeの延長を示した。また、温熱処置、TNP-470、抗VEGF中和抗体の三者併用群においてTG Timeはもっとも延長し、高い抗腫瘍効果が示された。
【結論】抗VEGF中和抗体、血管新生阻害剤(TNP-470)を用いて温熱後に生じる血管新生を抑制することにより、温熱効果の増強が得られた。