ABSTRACT 1783(P7-3)
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In vivo でのマトリゲル内血管新生における塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の働き:阿部真也1,吉竹佳乃2,竹内郁登2,浅野誠3,幸田綾子3,鈴木日出夫3,西川克三2金沢医大・皮,金沢医大2生化,東亜合成・つくば研)

Role of bFGF in in vivo angiogenesis in matrigel : Shinya ABE1, Yoshino YOSHITAKE2, Fumito TAKEUCHI2, Makoto ASANO3, Ayako YUKITA3, Hideo SUZUKI3, Katsuzo NISHIKAWA2 (1Dept. Dermatol. Kanazawa Med.Univ., 2Dept. Biochem. Kanazawa Med. Univ., 3Tsukuba Res. Lab., Toagosei Co., Ltd.)

[目的]腫瘍の成長、転移には腫瘍血管新生が重要な役割をもつと考えられている。今回、マトリゲルを用いて in vivo での血管新生モデルにおけるbFGFの働きを中和単クロ-ン抗体(bFM-1)によって検討した。
[材料と方法]マトリゲルをヌードマウスの腹部正中の皮下に注射し、7日後に取り出してゲル中のHbを分光光度計で測定した。マトリゲル内には3種のヒト・メラノーマ(G361,C32TG,YPMEL),ヒト・線維肉腫(HT1080), ヒト・大腸がん(RPMI 4788)などの細胞またbFGF,VEGFとそれぞれの中和単クロ-ン抗体を混入した。
[結果]マトリゲル内にbFGF,HT1080やその他のbFGF産生細胞を混入するとコントロールに比べてHb濃度が有意に増加した。またbFGFの中和単クロ-ン抗体であるbFM-1をマトリゲル内に同時に入れたときにはこれらのHbの増加は著しく抑制された。一方VEGFの中和単クロ-ン抗体によっても同様の抑制効果が見られた。
[考察]マトリゲル内のHb濃度の増加は生体よりの血管の新生によると考えられる。bFGFによるマトリゲル内血管新生がbFM-1のみならずVEGFの中和単クロ-ン抗体によっても抑制されるのは、血管新生にbFGFとVEGFが相関して働くことによるものと思われる。