ABSTRACT 1859(P7-8)
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軟骨由来 plasminogen activator inhibitor の抗腫瘍活性: 森岡秀夫、矢部啓夫、森井健司(慶大・医・整形)

Anti-tumor activity of cartilage-derived plasminogen activator inhibitor:Hideo MORIOKA, Hiroo YABE, Takeshi MORII(Dept. of Orthop. Surg. Keio Univ. School of Med.)

【目的】軟骨組織には腫瘍の増殖を阻害する物質が存在すると推測されてきた。我々は、ウシ胎仔肋軟骨より抽出した分子量3〜10万の画分が、in vivo で抗腫瘍活性を示し in vitro で B16 melanoma が産生する uPAを酵素学的に抑制することを報告した。(Biomedical Res 18 : 287-295, 1997 ) 今回、軟骨組織よりこのuPA inhibitor を分離・精製し抗腫瘍活性について検討した。【方法】ウシ胎仔肋軟骨より抽出した分子量3~10万の画分をSephadex G-100 superfine カラムで 展開した。uPA inhibitor 活性を示す画分を回収し、 ウロキナーゼセルロフィンカラムでアフィニティクロマトグラフィを行い軟骨由来 uPA inhibitor を精製した。SDS-PAGEを行った後、既知の uPA inhibitor である PAI-1・PAI-2との免疫学的交叉を確認した。抗腫瘍活性の測定はBDF1 マウスの後肢足底部にB16 melanomaを移植し同部に精製物質を局所投与するbioassayを行った。【結果】 精製した uPA inhibitor はSDS-PAGEで分子量約70kD を示し、既知のPAIとは免疫学的に交叉しなかった。 さらに、局所投与でBDF1 マウス後肢足底部に移植したB16 melanoma の増殖を強く抑制した。【結論】本研究により腫瘍の浸潤に対してバリアーとなっている軟骨組織には、PAI-1・PAI-2とは異なる uPA inhibitor が含まれており 本物質は強い 抗腫瘍活性をもつことが明らかとなった。