ABSTRACT 1861(P7-8)
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肺由来のがん細胞増殖因子の解析:西鶴由美子1,矢守隆夫1,神田浩明2,野村起美恵2,鶴尾隆1,31癌研・癌化療セ,2病理,3東大・分生研)

Analysis of a lung-derived tumor growth factor : Yumiko NISHIZURU1, Takao YAMORI1, Hiroaki KANDA2, Kimie NOMURA2, Takashi TSURUO1, 3 (1Cancer Chemother. Ctr., 2Pathol., Jpn. Fdn. Cancer Res., 3Inst. Mol. Cell. Biosci., Univ. Tokyo )

[目的]がん転移において、標的臓器の産生する増殖因子は、がん細胞の再増殖を促す要因、また臓器親和性を決定する要因と考えられる。我々は、大腸がんの肺転移に注目し、肺抽出液よりがん細胞増殖因子として35kDa蛋白質を単離し、これが talinの断片であることを昨年本学会で報告した。今回、talinについて種々の臓器における発現および細胞外に分泌される可能性について検討した。[方法・結果]35kDa蛋白質のN末ペプチドに対するポリクローナル抗体を用い、ウェスタンブロッティングおよび免疫組織化学法によりマウス臓器におけるの発現を調べた。talinは、肺、脾臓、大腸で強い発現が見られ、肺では、気管上皮に発現が見られた。V79肺細胞株より分泌される蛋白質を35Sメチオニンで標識し、上記抗体で免疫沈降したところtalinに相当する230kDa蛋白質が検出された。[結論]talin の組織分布は一様ではなく、肺を含めいくつかの臓器で発現が高いことが判明した。また、細胞外に分泌されることが示唆された。