ABSTRACT 1864(P7-8)
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子宮内膜癌細胞株浸潤能に与える性ステロイドレセプターの影響 :(札幌医大・産婦、山名香織、斉藤 豪、根井英行、水元久修、黒木勝円、工藤隆一)

Influence of sex steroid receptors to invasiveness of endometrial cancer cells : Kaori YAMANA, Tsuyoshi SAITO, Hideyuki NEI, Hisanobu, MIZUMOTO, Katsumaru KUROKI, Ryuichi KUDO (Dept. of Obstet. and Gynecol. , Sapporo Med. Univ.)

【目的】子宮内膜癌は,様々なペプチドやステロイドホルモンの影響下にあるとされている.今回我々は,エストローゲンレセプター(ER)およびプロゲステロンレセプター(PR)遺伝子を子宮内膜癌細胞株に組み込み,性ステロイドがこれら細胞株の浸潤能・増殖能にどのように影響を与えているかを観察した.
【実験と方法】子宮内膜癌細胞株・Ishikawa株を用い, Lipofectin法にて細胞にER・PR遺伝子をトランスフェクトし,E2,Pを添加した培養液中で培養した.この細胞株を利用しinvasion assayを行い, 同時にマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMPS)の発現の変化をウエスタンブロット法によって測定した.
【結果と考察】invasion assayにおいて,ERをトランスフェクトした細胞株(ER群)は,コントロール群と比較して有意に浸潤し,PRをトランスフェクトした細胞株(PR群)は,コントロール群と比較して有意に浸潤が抑制された.またウエスタンブロット法におけるMMPsの測定では,PR群で弱く,ER群で強く発現していることが確認された.子宮内膜癌の浸潤には性ステロイドそしてそれらのレセプターの影響を受けていることが示唆され、その機序としてMMPsの発現の増加あるいは減少が関与していると考えられた。