ABSTRACT 1872(P7-8)
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Ley抗体による癌転移抑制:犬房春彦1,足立俊之2,若野司1,中嶋章浩1,安藤理3,鈴木基之3,栗本雅司3,進藤勝久1,安富正幸1
1近畿大・医・一外,2鳥潟病院・外,3林原生物化学研)

Inhibition of Metastasis by Ley Antibody: Haruhiko INUFUSA1,Toshiyuki ADACHI 2,Tsukasa WAKANO1,Akihiro NAKAJIMA1,Osamu ANDO3,Motoyuki SUZUKI3,Masashi KURIMOTO3,Katsuhisa SINDO1 and Masayuki YASUTOMI1(1First Surgery,Kinki University School of Medicine,2Surgery,Torigata Hospital,3Hayashibara Biochemical Laboratories Inc.)

【目的】cancer cell-derived blood coagulating activity 1 (CCA-1)は癌細胞のプロコアグラントの一つで,LeyはCCA-1のco-factorとして働く.CCA-1の凝固活性を抑制するLey抗体FS01による癌転移抑制を検討した. 【材料・方法】Ley高発現株HAL8,Ley低発現株RPMI4788のヌードマウス尾静注肺転移モデルにFS01を同時投与し影響を検討した【結果】FS01はLey高発現株HAL8の血液凝固活性とヌードマウス転移を濃度依存性に阻害した.Ley低発現株RPMI4788の凝固活性と転移には影響を与えなかった.FS01のADCC, CDC活性は認められなかったが[125]IdUrdラベルHAL8の肺へのlodgingを抑制した.【考察】癌細胞表面のLeyはCCA-1の血液凝固活性を介して癌転移に重要な役割を果たしていることが明らかになった. 血液凝固の最終産物であるフィブリンが生じると癌細胞は標的臓器にlodgingしやすくなるだけでなく免疫細胞から逃れやすくなると考えられる.