ABSTRACT 1877(P7-8)
高率肺転移ラット肝癌モデルを用いたaspirin indomethacinの転移修飾作用の検討 : 二口 充1, 加藤浩司1, 今井田克己1, 加藤俊男1, 岡本 尚2, 白井智之1 (1名市大・医・1病理, 2名市大・医・分子遺伝)
Effect of aspirin and indomethacin on highly metastatic hepatocellular carcinomas induced by diethylnitrosamine and nitorosomorpholine : Mitsuru FUTAKUCHI1, Koji KATO1, Katsumi IMAIDA1, Toshio KATO1, Takashi OKAMOTO2 and Tomoyuki SHIRAI1 (11st. Dept. Pathol., Nagoya City Univ. Med. Sch., 2Mol.Gen., Nagoya City Univ. Med. Sch.)
転移抑制剤の開発を目的として、我々の開発した肺に高率な転移を来すラット肝細胞癌(HCC)のモデルを用い、NF-κB抑制作用をもつaspirin (Asp)と作用のないindomethacin (IM)の転移抑制作用を検比較討した。【方法】6週齢のF344雄ラットにdiethylnitrosamine 100mg/kgb.w.で1回腹腔内投与を行い、N-nitroso-morpholineを120ppmで飲水投与し16週間で肝癌を誘発した。その後、肺転移形成期にAspを0.5%で混餌投与する群、IM を40ppmで飲水投与する群および対照群を設け、24週経過後に屠殺し、HCCの発生と肺転移率を比較検討した。【結果・結論】Asp投与群、IM投与群、対照群ともHCCはいずれも100%みられ、肺転移はそれぞれ95%, 100%, 94%観察された。また、単位面積あたりの肺転移の数および面積は、対照群はそれぞれ0.10個/cm2, 0.45%, であったが、Asp投与群で0.06個, 0.55%, IM投与群で0.11個, 1.56%とIMには転移促進作用が、Aspには弱い転移抑制作用が見られ、NF-κB抑制剤は有望な転移抑制剤であることが示唆された。