ABSTRACT 1901(P7-10)
ヒト大腸癌肝転移株と肝類洞内皮細胞の相互作用における超微形態学的検討: 加藤健司1、高尾尊身1、愛甲孝1、村田長芳2(1鹿児島大・外、2鹿児島大・解剖)
An Electron-Microscopic study on interaction between metastatic Human Colon Cancer Cells and Hepatic Endothelial Cells in nude mice : Kenji KATO1,Sonshin TAKAO1,Takashi AIKOU1,Fusayoshi Murata2(Depts .of1Surg and2Anatomy., Kagoshima Univ.)
[目的] ヒト大腸癌高肝転移株KM12L4および低転移株KM12Cを超微形態学的に比較し、それらの形態学的差異が類洞内皮細胞とどのように相互作用するかを考察する。
[方法] ヒト大腸癌高肝転移株KM12L4および低転移株KM12Cを透過型電顕(TEM)および走査型電顕(SEM)で形態学的に比較した。さらに、この二つの株を経門脈的にヌードマウスに投与し、経時的形態学的に観察した。
[結果と考察]In vitroにおいて TEMでは、癌細胞の核は大きな核小体を持ちユークロマチンが多かったが二つの株の間に細胞小器官レベルに著差はなかった。核小体は光顕レベルでも観察された。SEMでは、高転移株の方が約6倍のmicrovilliの発達を認めた。In vivoにおいて、門脈より注入一時間後癌細胞の多くは定着せず流されたが、それでも高転移株の方が類洞内に多く存在した。その間、癌細胞のmicrovilliと類洞内皮細胞との接着がTEMでもSEMにても観察された。よって、癌細胞の定着初期において、microvilliの関与が示唆された。