ABSTRACT 1902(P7-10)
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消化器癌細胞と肝類洞血管内皮細胞の相互作用について:藤本平祐, 澤田秀智, 渡辺明彦, 山田行重,辰巳満俊, 阪口晃行, 江本宏史, 成清道博, 平尾具子, 中野博重(奈良医大・一外)

Interaction between gastrointestinal tract cancer cells and hepatic sinusoidal endothelial cell : Heisuke FUJIMOTO, Hidetomo SAWADA, Akihiko WATANABE, Yukishige YAMADA,Mitsutoshi TATSUMI, Teruyuki SAKAGUCHI, Koji EMOTO, Michihiro NARIKIYO, Tomoko HIRAO, Hiroshige NAKANO (First Dept. of Surg., Nara Med. Univ.)

【目的】癌細胞が血行性に標的臓器へ到達して最初に遭遇する臓器特異的な宿主の細胞として血管内皮細胞が考えられる。今回、肝転移成立過程における胃癌および膵癌細胞と肝類洞血管内皮細胞の相互作用について、増殖-運動の面から検討した。
【方法】ヒト胃癌7株とヒト膵癌3株、マウス肝類洞血管内皮細胞株(HSE)とマウス肺毛細血管内皮細胞株(MLE)を用いた。各々のconditioned medium (CM)を抽出し、増殖実験 (Crystal violet法)と運動実験 (Transwell chamber法)を行った。
【結果】1)血管内皮細胞のCMは、癌細胞の増殖と運動を促進した。2)癌細胞のCMは、血管内皮細胞の増殖は促進しなかったが、その遊走を促進した。以上の効果はMLEよりもHSEに顕著であった。
【結語】肝類洞血管内皮細胞と癌細胞は、肝転移成立過程において相互に関係している可能性が示唆された。