ABSTRACT 1923(P8-2)
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CD40シグナルによるアポトーシス抑制の分子機構:井上純一郎,塚本信夫,山本雅(東大・医科研・制癌)

Molecular mechanisms of the CD40 signaling-mediated inhibition of cell death: Jun-ichiro INOUE, Nobuo TSUKAMOTO, Tadashi YAMAMOTO (Departmrnt of Oncology, Institute of Medical Science, University of Tokyo)

B細胞において抗原受容体刺激によって誘導されるG1アレスト及びアポトーシスはCD40刺激によって回避される。この分子機構として、抗原受容体刺激がCDK4,CDK6を減少させ、p27Kip-1を増加させること、そしてCD40刺激がこれら蛋白質の発現量を無刺激時に戻すことを報告してきた。今回この発現変化を詳しく解析したところ、抗原受容体刺激によりp27Kip-1蛋白質の安定化とCDK4蛋白質の不安定化が起こることを見い出した。またCD40刺激はこれら蛋白質の安定性を無刺激時に戻した。p27Kip-1の安定性がリン酸化によって制御されうることが報告されており、その関連を解析中である。一方、CD40細胞質領域に結合してそのシグナルを伝達する蛋白質としてTRAF5及びTRAF6を報告したが、CD40のTRAF6結合部位はヒトとマウスで相同性が低くその部位の機能は明らかでなかった。今回、CD40の欠失変異体及びアミノ酸置換変異体を用いてTRAF6結合部位がCD40シグナルに必須であること、またTRAF6に結合できないCD40変異体が完全なシグナルを伝達できないことを明らかにした。