ABSTRACT 1925(P8-2)
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T細胞活性化におけるCTLA-4によるIL-2産生抑制機構: 中世古知昭1,宮武昌一郎2,大野博司1,斉藤隆1(1千葉大・院医・遺伝子制御,2東大・医科研・分子生物)

Inhibitory mechanism of IL-2 production by CTLA-4 upon TCR and CD28 co-stimulation of T cells: Chiaki NAKASEKO1, Shoichiro MIYATAKE2, Hiroshi OHNO1 and Takashi SAITO1 (1Dept. Mol. Genetics, Grad. Sch. Med., Chiba Univ., 2Dept. Mol. Biol., Inst. Med. Sci., Univ. of Tokyo)

【目的】CTLA-4はT細胞活性化に伴い一過性に細胞表面に発現し,活性化の抑制シグナルを伝達し、抗腫瘍免疫に重要な役割を果たしている。CTLA-4の細胞内領域165YVKMモチーフに、そのチロシンリン酸化に伴って、SHP-2やPI3-Kが会合することがこれまで報告されているが、抑制シグナル伝達機構は依然不明である。我々はCTLA-4を介する抑制シグナル伝達機構について、CTLA-4の種々の変異体を導入したT細胞クローンを用いて解析した。 【方法及び結果】野生型及び各種変異CTLA-4を、レトロウィルスベクターpMXneoを用いて、内因性CTLA-4の発現の低いマウスTh1クローンに導入し、CTLA-4導入T細胞クローンを樹立した。TCRとCD28を介するT細胞クローンの共刺激では、抗CTLA-4抗体によるCTLA-4の架橋により、野生型CTLA-4のみならず、チロシン変異体や細胞内領域を欠失した変異CTLA-4導入細胞においても、IL-2産生が著明に抑制された。 【考察】細胞内領域を欠損したCTLA-4を介してもIL-2産生を抑制するシグナルが伝達されることから,CTLA-4は細胞表面の未知分子と会合して抑制シグナルを伝達している可能性が示唆された。