ABSTRACT 1926(P8-2)
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脳神経細胞特異的PP2A結合分子α4-bのクローニング:前田和彦、乾 誠治、阪口薫雄(熊本大・医・免疫)

Molecular cloning of α4-b that binds to PP2A and is expressed in the neural cells: Kazuhiko MAEDA, Seiji INUI, Nobuo SAKAGUCHI ( Dept. Immunol. Kumamoto Univ. Sch. Med.)

[目的] 我々はシグナル伝達分子α4がプロテインホスファターゼ2Aの触媒サブユニット(PP2Ac)と結合していること、免疫抑制剤ラパマイシンの標的分子として作用することを明らかとしてきた。今回、脳特異的発現α4-b遺伝子を単離し、その解析結果を報告する。
[方法と結果] 1) α4ゲノム遺伝子解析の過程で、α4-b遺伝子を単離した。2) α4-b遺伝子は343アミノ酸をコードするopen reading frameが存在し、α4とアミノ酸レベルで高い相同性が認められた。3) α4-b遺伝子の5'上流にはTATA、CCAAT、Eボックスが存在し、典型的なプロモーター構造が存在した。4) 組織RNAを用いたRT-PCR法及び特異的プローブを用いたin situ hybridizationの結果から、脳組織に発現が認められた。5) GST 融合タンパクを用いた結合アッセイによって、α4-bはα4と同様にPP2Acと結合することを示した。
[結論] α4-bは脳組織に発現が認められた。PP2Aが特に脳で高発現していることから、α4-bがα4とPP2Aとの結合やシグナル伝達に関与することが示唆される。