ABSTRACT 1998(P9-1)
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子宮体癌におけるIGFBP発現の検討:平野聡子、伊藤直樹、玉舍輝彦(岐阜大・医・産婦)

Expression of insulin-like growth factor binding protein in endometrial cancer tissue: Satoko HIRANO, Naoki ITO, Teruhiko TAMAYA (Dept. of OB/GYN, Gifu Univ. Sch. of Med.)

[目的]インスリン様増殖因子(IGF)は、性ステロイドと協調して子宮内膜の細胞増殖に作用している。またその特異的な結合蛋白IGFBPはその調節因子として重要であり、悪性腫瘍との関連も示唆されている。今回は子宮内膜癌組織におけるIGFBPの発現とその他の背景因子との関連を検討した。[方法]岐阜大学医学部産婦人科において開腹術を施行した子宮体癌症例28例の摘出標本からWestern blotting法によりIGFBP1、2、3の発現を測定した。また、術前の末梢血を採取しCA125、CA724等の腫瘍マーカーを測定し、それぞれの結果を臨床進行期、病理組織診断、その他の背景因子と比較検討した。[結果]IGFBPの発現率はそれぞれ、IGFBP1:25%、IGFBP2:54%、IGFBP3:93%であった。腫瘍マーカー値とIGFBPの間では相関関係が認められなかった。また組織の分化度や年齢との相関はいずれのIGFBPにおいても認められなかった。しかしIGFBP1および2の発現と臨床進行期において正の相関が認められた。以上、子宮体癌においてIGFBP1および2の発現が癌の進行にともない増強されている可能性が示唆された。