ABSTRACT 2003(P9-1)
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胆道癌手術後における胆汁中への活性型HGFの分泌:久留宮康浩1,二村雄次1,竹内英司1,野沢 桂2,吉田松年21名大第一外科、2名大病態研)

The intact and biologically active human hepatocyte growth factor is excreted in bile after hepatobiliary resection for biliary tract carcinoma : 1Yasuhiro KURUMIYA, 1Yuji NIMURA, 1Eiji TAKEUCHI, 2Katsura NOZAWA, 2Shonen YOSHIDA (1First Dept.Surg.,Nagoya Univ.Sch.Med.,2Res. Inst. for Dis. Mech. Cont.,Nagoya Univ.Sch.Med.)

  【目的】胆道癌の肝切除後の胆汁は血中レベルの数倍のHGFを含み、術後の血清総ビリルビンと有意に負の相関を示すことから、胆汁中のHGFは拡大肝切除の予後の指標になることをわれわれは第56回総会で報告した。しかし現在のところ活性型のインタクトなHGFなのか、分解産物なのかははっきりしていない。【方法】胆道癌手術後の患者の胆汁より Heparin-Sepharose カラムを用いて HGFを精製した。その精製された画分を電気泳動し、Western blottingを行った。またラット初代培養肝細胞を用いてその増殖因子としての活性を検討した。【結果】SDS-PAGEと抗HGF抗体を用いたWestern blottingにより、精製画分は非還元下でrecombinant human HGF (rhHGF, 85KD)に相当するシグナルを示し、還元下ではrhHGF α鎖 (65KD)とβ鎖 (30KD)に相当するシグナルを示した。また初代培養肝細胞に添加したところ量依存性にトリチウムチミジンの取り込みを促進し、rhHGFと同等の生物学的活性が認められた。【結論】胆汁中に活性型HGFが存在することが明らかとなった。