ABSTRACT 2007(P9-1)
門脈枝塞栓術(PTPE)後の胆汁中hepatocyte growth factor(HGF)の誘導について:竹内英司1、二村雄次1、久留宮康浩1、前田敦行1、梛野正人1、吉田松年2 (1名大・医・一外、2名大・医・病態研)
Human hepatocyte growth factor increases in bile from nonembolized lobes after portal vein embolization: Eiji TAKEUCHI1, Yuji NIMURA1, Yasuhiro KURUMIYA1, Atsuyuki MAEDA1, Masato NAGINO1 and Shonen YOSHIDA2(11st.Dept.Surg.,2Res.Inst.Dis.Mech.Cont.,Nagoya Univ.Sch.Med.)
(目的)PTPEにおける胆汁中HGFの誘導ついて検討した。(方法および結果)14名のPTPEを受けた患者からPTBDチューブより別々に塞栓葉ならびに非塞栓葉の胆汁を採取し、ヒトHGF測定キット(ELISA法、特殊免疫研究所、東京)により、胆汁中のHGF値を経時的に測定した。PTPEにより非塞栓葉では、胆汁中HGF値は術前値1.3±0.1 ng/mlから術後2.2±0.2 ng/mlと有意に上昇した。これに対して塞栓葉では、胆汁中HGF値は術前値1.1±0.2 ng/mlから術後0.4±0.1 ng/mlと有意に減少した。PTPE後3日目の非塞栓葉での胆汁中HGF値は塞栓葉と比較して有意に高かった。
(考察)胆汁中HGFはPTPEにより非塞栓葉で増加し、塞栓葉で減少することから、胆汁中HGFの産生は再生が引き起こされる領域での反応であると考えられた。