ABSTRACT 2011(P9-1)
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ヒト大腸癌細胞におけるPGE2 産生とエンドトキシンによる活性化:小島雅之1,森崎 隆1,出原賢治2,内山明彦1,片野光男3,田中雅夫1(九大・医・1 1外, 2 臨検, 3 佐賀医大・外)

PGE2 production and activation by LPS in a human colon carcinoma cell line : Masayuki KOJIMA1, Takashi MORISAKI1, Kenji IZUHARA2, Akihiko UCHIYAMA1, Mitsuo KATANO3, Masao TANAKA1 ( 1 Dept.Surg.1, 2 Dept.Clin.Chem. and Lab. Med., Kyushu Univ., 3 Dept. Surg., Saga Med. School )

[目的]種々の生理作用を有するエンドトキシン(LPS)が大腸癌細胞の活性化に関与するか否かについて、PGE2 の産生に焦点をあて解析した。
[方法]ヒト大腸癌細胞株 EG-1他をLPSで刺激し以下を検討。1)培養上清中のPGE2 をELISA 法にて測定。2)RT-PCR、Western blot.にてCOX2 を、Flow cytometry にてCD 14 の発現を検討。3)Gel shift assay にてNF-κB の発現の有無を解析。
[結果]EG-1 は無刺激でもPGE2産生量は848.6 pg/ml であったが、LPS 100 ng/ml で刺激すると1300.7 pg/ml と有意に増大した。EG-1 はCD14 を発現し、LPS 刺激を加えるとCOX2 mRNA の発現が増大した。さらに転写因子であるNF-κB の発現もLPS 刺激により約2.5倍の増大がみられた。
[結語]LPS によるヒト大腸癌細胞の活性化とその機序が明らかになった。