ABSTRACT 2030(P9-2)
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EGFRシグナルに於けるGrb2, Shcの機能解析:橋本あり1,後藤典子2,渋谷正史2,黒崎知博1(1関西医大・肝研・分遺,2東大・医科研・細胞遺伝)

Functional analysis of Grb2 and Shc in EGFR signaling : Ari HASHIMOTO1, Noriko GOTOH2, Masabumi SHIBUYA2, Tomohiro KUROSAKI1 (1Dept. Mol. Genet., Inst. Liver Research, Kansai Med. Univ., 2Dept. Genet., Inst. Med. Sci., Univ. Tokyo)

細胞増殖因子EGFにより細胞が刺激されると,細胞内で多岐にわたるシグナル経路が活性化され,細胞増殖が誘導される。細胞増殖に重要な役割を担っていると考えられているERK活性化に的を絞り,EGFRからERKへのカップリング機構に関し検討した。現在アダプター分子であるGrb2, Shcが関与していると考えられ,そのモデルとしてGrb2,Shcそれぞれ単独Grb2, Shc複合体が関与している3つのモデルが想定されている。このモデルを直接検定するため,Grb2, Shc欠損培養細胞をgene-targeting を用いて作成した。
 その結果,Grb2欠損ではERK活性化は全く認められなかったが,Shc欠損では,野生型と全く同様の活性化が認められた。この実験結果より,3つのモデルの内 in vivoではGrb2がおそらく単独で重要な役割を演じていることが示唆された。