ABSTRACT 2031(P9-2)
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悪性腫瘍細胞が発現するVascular Endothelial Growth Factor 165 (VEGF 165 )特異的受容体の解析:越智康, 道向栄二, 田中良治, 坂本哲彦, 谷亮治, 尾崎輝彦, 虎谷茂昭, 岡本哲治 (広島大・歯・口外1)

Analyses of Vascular Endothelial Growth Factor 165 (VEGF 165 )-Specific Receptor Expressed in Malignant Tumors : Yasushi OCHI, Eiji MICHIMUKAI, Yoshiharu TANAKA, Akihiko SAKAMOTO, Ryouji TANI, Teruhiko OSAKI, Shigeaki TORATANI and Tetsuji OKAMOTO (Depertment. of Molecular Oral Medicine & Maxillofacial Surgery 1, Hiroshima University School of Dentistry, )

我々は口腔由来の腫瘍を中心に種々の腫瘍細胞におけるVEGFの受容体の発現を125I-VEGF 165 を用いた架橋実験、受容体結合試験およびRT-PCR法により解析し、230・190・150kDaを示す3種類のVEGF-膜蛋白複合体の存在、および150kDaの複合体形成はヘパリンにより増強されることを報告した。ごく最近、神経回路形成に重要と考えられているcollapsin / semaphorin familyの受容体であるneuropilin-1がVEGF 165 の新たな受容体であることが報告された。今回、種々の悪性腫瘍細胞由来RNAを用いてRT-PCRおよびダイレクトシークエンス等によりneuropilin-1, -2の遺伝子の発現、および架橋実験によるVEGF165 結合蛋白の検討を行った。またflt-1、KDR/Flk-1およびneuropilin-1を発現する悪性黒色腫細胞(MM)を用いてVEGF 165 に対する遊走能の検討を行った。その結果,口腔由来扁平上皮癌細胞を含め種々の腫瘍細胞においてneuropilin-1遺伝子が発現されていることが判明した。またVEGF 165 はMMの遊走能を促進した。これらの結果から、VEGFが血管内皮細胞の増殖活性や血管透過性の亢進活性に加えて、内皮細胞以外の細胞のmotogenとしての機能を有する可能性が考えられた。