ABSTRACT 2033(P9-2)
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急性白血病150例のerythropoietin (EPO) receptor発現量の検討 -FAB分類, EPO被刺激性, CD-phenotype, 他cytokineの影響-:新庄香,竹下明裕,大西一功,大野竜三(浜松医大・3内)

Quantitative expression of erythropoietin receptor on leukemia cells from patients with acute leukemia: Kaori SHINJO, Akihiro TAKESHITA, Kazunori OHNISHI, Ryuzo OHNO (Dept. of Int. Med. III, Hamamatsu Univ. Sch. of Med.)

(目的)白血病細胞上のEPO receptor (EPO-R)の発現に関しては報告が乏しいが、今後予想されるcytokineの併用療法等ではその芽球刺激性が検討されるべき課題と考えられる。(方法)AML 136例、ALL 14例よりFicoll分離された白血病細胞をbiotin-EPOとincubate後SA-RED670にて後染色した。EPO-Rの定量はK-S testのD valueを関数として用いて定量した (Br.J Haematol, 1997)。同様にG-CSFとTPO receptorの定量も施行した。また同時にmonoclonal antibodyを使用した多重染色を施行し、CD-phenotypeの検討を行った。EPO被刺激性はtritium-thymidine uptakeにて検討した。G-CSF、TPO、SCFのpre-incubation後のEPO-R発現量、EPO被刺激性の変化も併せて検討した。(結果)AMLの60%、ALLの29%にEPO-Rの発現を認めた。FAB分類の全てにわたりEPO-R発現を認めたが、M6では全8例に発現を認めた。Stimulation index (S.I.) >1.5の被刺激性は16%に認めた。EPO-R発現量とS.I.との間に相関は認められなかった(r=0.2552)。またG-CSFとTPO receptorの発現量との相関も認められなかった(r=0.058, 0.0910)。SCFとpre-incubate後、EPO-R量、EPO被刺激性は増加したが、G-CSFやTPOではこの変化は認められなかった。(考案)一部の芽球はEPOにより刺激され、これがSCFによりenhanceされることはcytokine療法上考慮されるべきである。