ABSTRACT 2129(P10-3)
食道原発粘表皮癌7例の臨床病理学的検討: 萩原信敏1、恩田昌彦1、笹島耕二1、宮下正夫1、野村務1、牧野浩司1、松谷毅1、大川敬一1、土屋喜一1、山下精彦1、田久保海誉2 (1日本医大・1外、2都老人研・臨床病理)
Clinicopathological characteristics of 7 cases of esophageal mucoepidermoid carcinoma: Nobutoshi HAGIWARA 1, Masahiko ONDA1, Koji SASAJIMA1, Masao MIYASHITA1, Tsutomu NOMURA1, Koji MAKINO1, Takeshi MATSUTANI1, Keiichi OKAWA1, Yoshikazu TSUCHIYA1, Kiyohiko YAMASHITA1,Kaiyo TAKUBO2 (1First Dept. of Surg., Nippon Med. Sch., 2Dept. of Clin. Pathol., Tokyo Metropolitan Institute of Gerontol.)
【はじめに】食道原発粘表皮癌は稀な疾患で、予後不良とされている。今回、食道粘表皮癌7症例を臨床病理学的に検討した。【対象と方法】教室で、経験した7例を対象とした。平均年齢57歳、性別は、すべて男性。摘出食道及びリンパ節を切片を組織学的に検討し、さらにPCNA、p53の免疫染色を施行した。【結果】切除標本の肉眼的分類は、隆起型1例、潰瘍限局型3例、潰瘍浸潤型3例。深達度は全例外膜まで達していた。リンパ節転移は6例に認めた。予後は、他病死した1例を除き、6例中5例は2年以内にリンパ節転移、遠隔転移などで死亡。他の1例は、術後2年経過し通院中である。組織標本の、PCNA染色、p53染色は、高率に陽性であった。【まとめ】リンパ節転移、術後の遠隔転移も高率で臨床的悪性度が高かった。その背景としてp53遺伝子の異常、細胞増殖能の亢進などが示唆された。