ポスターセッション

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大腸癌及び肝転移巣における組織因子の発現：重盛千香^１、中崎隆弘^２、和田英夫^２、西川政勝^２、珠玖　洋^２(三重大第二外科^１、三重大第二内科^２)

TF expression in colorectal cancer and metastatic cancer of liver: Chika Shigemori^１, Takahiro Nakasaki², Hideo Wada², Hiroshi Shiku²（¹2 nd Dept of Surgery, ²2nd Dept of Internal Med, Mie Univ）

[目的] 組織因子(TF)は種々の固形癌に発現し、その転移接着に関連するとの報告が相次いでいる。血行性転移の多いとされる大腸癌にTF免疫組織染色を施行し、臨床病理学的因子との比較検討を行った。
[方法]　原発大腸癌81例と肝転移巣17例のパラフィンブロックを使用し、抗原賦活のためmicrowave処理を施行、マウスモノクローナル抗体(K108)を用いてTFを組織染色した。臨床病理学的因子としては、年齢、性、腫瘍径、組織型、進達度、リンパ管浸潤、血管浸潤、リンパ節転移、肝転移の有無、Dukes′の分類について検討した。
[成績ならびに考案]　正常大腸腺組織にはTFの発現は認められなかったが、大腸癌の57％、肝転移巣88％にTFの強発現が認められた。腫瘍径はTF発現陽性群にて有意に大きく、Dukes′A及びB群に比べ、Dukes′C及びDの２群におけるTF発現率は有意に高かった。以上の成績から、TFは大腸癌において腫瘍の拡大及び血行性転移に関与している可能性が示唆された。