ポスターセッション

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大腸ポリープにおける異型腺管の病変内分布と組織診:　八重樫弘、福本学(東北大加齢研病理)

3-D distribution of atypical glands in colonic polyps and histopathology : Hiroshi YAEGASHI, Manabu FUKUMOTO (Dept. of Pathol. Inst. of Development, Aging & Cancer, Tohoku Univ.)

【目的】大腸癌の発生について腺腫・腺癌という多段階発癌と de novo 癌との違い検討する目的で、大腸ポリープ内における異型度別異型腺管の三次元分布を解析した。
【材料・方法】大腸ポリープ（有茎性・亜有茎性の腺腫）の内視鏡的切除材料50病変（うち腺腫内癌17病変）を0.2 mm 間隔に全割し、Group �氈`�｣の領域を顕微鏡下に定めて三次元再構成を行ない、各領域の腺腫内分布及び断端の状況を検索した。また、Cavalieri法により各領域の体積を算出した。
【結果・考察】1）腺腫内癌では一般に癌の周囲をより低異型度の領域が囲み、多段階の癌発生を示唆する分布を呈した。2）癌発生を伴った腺腫(324.4mm³)は癌を伴わないもの(106.3 mm³)に比較して有意に体積が大きかった。3）しかし亜有茎性の腺腫では、100mm³の小型のものでも癌発生を伴い、癌のポリープ内にしめる体積比が大きい。
【結語】１断面の検索ではなく、三次元的な腺腫構造の検索は有要である。またこの検討は癌発生の有無・断端の状況など病理組織検査の精度向上にも有意義であり、腺腫内癌の見落としを防ぐには、0.6 mm以下の間隔で検索することが必要である。