ABSTRACT 2149(P10-4)
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高齢者の肺原発神経内分泌癌の2例:
藤原久美1,三上順子2,山本吉浩3,吉野正4,赤木忠厚41興生総合病院・病理,2興生総合病院・内科,3興生総合病院・外科,4岡山大・医・第二病理)

2 cases of neuroendocrine carcinoma of the lung in the old.: Kumi Fujiwara1, Junko mikami2,Yoshihiro Yamamoto3, Tadashi Yoshino4, Tadaatsu Akagi4 (1 Dept. of Pathol., Kohsei General Hosp., 2 Dept. of Int.Med, Kohsei General Hosp., 3 Dept. of Surgery, Kohsei General Hosp., 4 2nd Dept. of Pathol., School of Med., Okayama Univ.)

高齢者の肺腫瘍で,極めてdescrepancyのある病理組織像を示したが,いずれも神経内分泌系への分化が確認された2剖検例を報告する。
(症例1)102才,女性。死亡前約1ヶ月半より咳,痰,微熱,下腿浮腫あり。画像上中間気管支幹の小細胞癌及び肺門リンパ節転移が疑われた。右胸水で接着傾向の明らかな中型腫瘍細胞の乳頭状clusterが少数認められた。剖検時,右肺下葉気管支S7粘膜に露出する2.3x2.1x2.0 cmの腫瘍があり,組織学的に腫瘍細胞は中細胞型小細胞癌に類似し,壊死巣を混ずる充実性胞巣,索状〜リボン状配列を示して増殖していた。一部にGrimelius陽性顆粒が確認された。(症例2)82才,男性。大腸癌,膀胱癌,胃癌の既往歴あり。死亡前約1年より血痰出現。画像上,右肺門部に腫瘤陰影があり,血中SCC1.6 ng/mlと僅かに上昇していた。剖検時,右主気管支に3.4x2.9x2.8 cmの腫瘍があり,組織学的には未分化癌〜明瞭な腺管構造を示す腺癌よりなる多彩な像を呈し,肺,肝,大動脈周囲リンパ節に多発性に転移していた。前回までの腫瘍と肺腫瘍を比較したところ,部分的には形態学的類似性が見られたが,免疫組織化学的に今回の腫瘍のみSurfactant apoprotein及びChromogrnin Aが陽性であった。